今回は、年賀状の準備にあたり知っておきたい、宛名面の書き方に関するマナーや豆知識を紹介したいと思います。
宛名面全体のマナー
細部の書き方に入る前に、まず前提として覚えておきたいのは、方向です。
日本語の文化は、手紙も含めて表記は縦書きで始まっていますので、年賀状も縦書きで書くのが慣例となっており、郵便はがき自体も縦書き用に作られています。
そのため、宛名面については今も縦書きが一般的で、横書きは目上の方、特にご年配の方には失礼に感じられる場合があります。
意図せずして先方に不快な思いをさせたり、自分の印象を悪くしないためにも、よほど親しい間柄でなければ、横書きは控え、縦書きで書く方が無難といえます。
住所の書き方
【1】住所の書き出し位置は、郵便番号の枠下に1文字以上、はがきの右端から1行以上あけて書きます。
【2】番地や部屋番号には漢数字を使用します。
【3】ビルやマンションなどの建物名がある場合は、2行目に、1行目よりも1文字分下げた位置から書くようにします。
【4】県名や建物名は、たとえ相手が親しい間柄の場合でも、省略せずに全て記載するのがマナーです。
宛名(先方の名前)の書き方
宛名が一人だけの場合
【1】郵便番号の左から2番目の数字を目安にして、その下に1文字分あけて大きめの文字ではっきりと記入します。
【2】姓と名の間も1文字あけ、更に1文字分あけて、相手にあわせた敬称を記入します。
常用外の漢字や旧字などの間違いは特に見落としやすいので、十分に注意する必要があります。
宛名を連記する場合(連名)
【1】宛名を連記する場合は、一人ずつ全員に敬称をつけます。
【2】家族宛で姓(名字)が同じ場合は、二人目以降は姓を省略し、名のみ書きます。
【3】家族全員宛などで人数が多く書ききれない場合や、名前が分からないような場合には、世帯主の方のみ名前を書いて「様」をつけ、その横に「ご一同様」としても結構です。
何となく二世帯と似た例ではありますが、取引先の会社で送りたい方が二人以上いるような場合は、所属部署が異なる場合はもちろん、同じ部署であっても、それぞれの個人宛に分けて別々に出すのがマナーです。
二世帯でどちらにも送る場合
親戚などに多いケースですが、送る相手が同じ住所で二世帯あり、どちらにも年賀状を送りたい場合は、連名にするのではなく、それぞれの世帯に宛てて分けて出すのが一般的です。
なお、相手が二世帯の親子等であることも多いと思いますので、仮に連名で送っても失礼にはあたる訳ではありません。
ただ相手方の年賀状の保管や管理方法などを考慮すると、分けて出すほうが親切だと言えます。
何となく二世帯と似た例ではありますが、取引先の会社で送りたい方が二人以上いるような場合は、連名で出すのはマナー違反です。個別に出すか、部署名で出す等にしましょう。
敬称の選び方
【1】宛名の敬称は「様」が一般的ですが、先方が会社や法人組織・団体などの場合は「御中」を使います。
※法人宛の場合は、株式会社や有限会社の後先にも十分に注意します。
【2】教師や恩師に宛てる場合は、「先生」をそのまま使っても構いません。
【3】組織内の個人に宛てる場合は、「○○会社御中 ○○様」といったように敬称を重ねないように注意します。
※この場合は「○○会社 ○○様」と書きます
【4】「殿」は目下の方に使用する敬称なので注意しましょう。
「役職」と「敬称」の違いを確認し、間違いに注意しましょう。
例えば、「校長先生」という呼び方がありますが、「先生」は敬称ですが「校長」は役職になります。
また、宛名書きをする場合、役職については姓名の「前」に書きます。
上の例でいうと、次のようになります。
例:校長先生に送る場合: (誤)「●●●● 校長先生」 → (正)「校長 ●●●● 先生」
例:仕事で部長職の方に送る場合: (誤)「●●●● 部長様」 → (正)「部長 ●●●● 様」
※役職・肩書が複数ある場合や、長くて文字数が多い場合は、名前の右側に記載すればOKです。
差出人の書き方
※本来は表面に書くのが一般的ですが、最近では裏面に入れるケースも増えています。
また、宛名や差出人の名前が連記になるとスペースが狭くなってしまう場合もありますので、
表面か裏面かはさほど神経質になることなく、全体の見た目やバランスを考慮して決めて良いと思います。
その他の注意点
年賀はがきではなく私製はがきを使う場合は、必ず切手の下に「年賀」と朱書きを入れます。
年賀という朱書きを忘れると、年内に届いてしまいますので注意しましょう。
以上、年賀状を準備する際に、宛名面の書き方として参考になれば幸いです。