先方の新年を祝う御挨拶、それが年賀状です。
昨今の年賀状は、印刷通販サービスや年賀状作成ソフトが充実し、「PCで作成したデータを印刷し、最後に手書きの一言を添える」という方が増えていると思いますが、全てが手書きではないからこそ、印刷に関してはより綺麗に、美しく仕上げたいところです。
そこで今回は、キレイな年賀状を印刷するために役立つ情報として、年賀はがきの特徴と、年賀はがきの選び方に関する3つのポイントを紹介します。
年賀はがきの種類と特徴
まずは、年賀はがきに使われる用紙の種類や、それぞれの特徴について紹介します。
年賀はがきの種類
年賀はがきには、一般の年賀はがき(普通紙)の他に、年賀はがき(インクジェット用)、インクジェット写真用年賀はがきなど、大きく3つの用紙タイプがあります。
※ディズニーのキャラクター年賀はがきや、絵入り寄附金付はがきなど、その年によって様々なデザインのはがきが販売されますが、「用紙の種類」は上記のどれかになります。
年賀はがきの特徴
●普通紙
従来から使われてきた、最もスタンダードな年賀はがき用紙です。
一般的な従来の官製はがきなどと同様の紙質で、手書きの文字が書きやすく、消しゴムなどもかけやすいなどが特徴です。
特に、鉛筆やシャープペン、万年筆など、先の硬いもので手書きをされる場合には、普通紙が適しています。
●インクジェット紙
インクジェット式プリンターの印刷がしやすいように、通信面(裏面)にコーティング加工が施され、キメ細かく、触ると少ししっとりした感じの用紙です。
インクの吸収率が高く、滲んだり液ダレなどがしにくいため、イラストや絵柄を印刷する場合に適しており、普通紙よりも鮮やかで綺麗に印刷できるのが特徴です。
ただし、光沢はないので写真などの印刷では少しぼやけた感じになったり、コーティングがあることで筆記用具によってはうまく書けない事がありますので、手書きで一言そえる場合には余った用紙で試し書きをするなど、注意が必要です。
(※筆ペンやサインペンなど、柔らかい筆記用具には普通紙よりも適しています)
●インクジェット写真用
インクジェット式プリンターで写真が綺麗に印刷できる用紙です。
通信面(裏面)にフォトペーパーのような真っ白でつやつやとした光沢があり、いわゆる「写真」そのままの品質で印刷できるのが特徴です。
インクが滲みにくい加工が施されているため、インクジェット紙とは鮮明度が全く異なり、ぼやける感じがないので写真を印刷する場合に適しています。
ただし、加工により厚みが増しているため、プリンターによっては紙詰まりなども起きやすいので注意が必要です。
(※実際の印刷品質は、プリンターの性能や元画像の解像度でも変わります)
はがき選びの3つのポイント+豆知識
年賀はがきの種類と特徴を把握したら、あとはどれにするか選ぶだけです。
とても単純な話ですが、大事なのは「目的と条件に適した用紙を選ぶ」ということです。
おさらいですね、改めて用紙選びの3つのポイントを確認しましょう。
1.プリンターの印刷方式を確認しよう
家庭用プリンターであれば、インクジェット式のプリンターが一般的だと思いますが、レーザープリンターや、インクリボンなどの熱転写方式プリンターのものもありますので、自分で使用するプリンターの印刷方式を説明書などで確認しましょう。
インクジェット式の場合、もちろんインクジェット紙が適していますが、実は「染料インク」ではなく「顔料インク」の機種の場合には、インクジェット紙では剥がれやすく、普通紙の方がよいこともあります。
逆に、レーザープリンターや熱転写方式プリンターであれば、インクジェット紙への印刷には向かず、普通紙への印刷に適しています。
各メーカーのインクジェットプリンターに対応したリサイクル・互換インクを販売するサイトです。
2.印刷するデータの内容を確認しよう
はがきの特徴で説明したように、それぞれの印刷内容によって適切な用紙が変わります。
イラストを中心としたレイアウトなのか、挨拶文など文字を中心としたレイアウトなのか、写真を使用したレイアウトなのか、或いは手書きを多く加える予定か…といったように、印刷する内容を再確認しましょう。
3.プリンターの機能や設定を確認しよう
最近は家庭用プリンターにも高機能なものが増え、印刷設定で「普通紙」か「インクジェット専用紙」かを選択できるものもあります。
プリンターの印刷方式とは別に、機種によっては使用する用紙に合わせて印刷時のインク量などを調節してくれるものがあるので、用紙を選ぶだけでなく、必ず印刷設定なども確認すると良いでしょう。
★違うのは通信面(裏面)のみ、宛名面はどれも同じ!
ここで、よくある勘違いやご心配事を未然に解決するために、次の点を覚えておきましょう。
年賀はがきの「普通紙」と「インクジェット紙」の違いは、通信面(裏面)に加工が施されている事ですが、加工されているのは通信面(裏面)のみで、宛名面は普通紙もインクジェット紙も全く同じになります。
例えば「通信面(裏面)は近所のプリントサービスや印刷通販で印刷するけど、宛名面は自宅で印刷する」といった場合、依頼する印刷屋さんがどの用紙を使うのか、気にされる方も多いと思いますが、宛名面に関してはどちらのはがきも紙質は一緒ですので、特に心配する必要はありません。
★印刷サービスでも、はがきを指定できる?
印刷サービスなど大量に印刷を行う会社の場合、実は普通のはがきに1枚ずつ印刷するのではなく、4面で1枚になった「四面連刷はがき」という用紙に印刷し、あとから断裁して仕上げるというのが一般的です。
そのため、はがきの種類を自由に指定できるケースは少ないかも知れませんが、「持ち込みはがき」に対応しているサイトもありますので、どうしても自分で選んだはがきに印刷して欲しい場合は、あらかじめ自分で用意したはがきを送って印刷してもらうといった方法もあります。
まとめ
キレイな年賀状を作るには、データ・用紙・印刷のどれが欠けてもうまくいきません。
そのため、自分で作るデザインに自信がなければ、テンプレートが豊富な作成ソフトを使うのも良いですし、プリンターの性能が低いなら、印刷通販などを利用するのも手です。
ただ、自宅で印刷するなら、どの年賀はがきを使うか、用紙選びは大事なことです。
はがきを選ぶときのポイントは、プリンターの印刷方式、データ内容(文字か写真かイラストかなど)、プリンターの設定などとの相性です。
普通の年賀はがきとインクジェット用はどう違うのか、自分の使っているプリンターはインクジェットなのかレーザーなのか、どんな場合にどの用紙が適しているのか、本記事が適切なはがき選びの一助になれば幸いです。